大気汚染防止法「改定案」が閣議決定

By | 2020年5月8日

政府は3月10日、大気汚染防止法改定案を閣議決定しました。

建設現場でアスベスト建材除去工事による健康被害の予防のとりくみが求められています。

今回の改定で、環境省は規制対象の除去作業が現在の約16,000件の5~20倍に増加するとしています。しかし、

①「相対的に飛散性が低いこと、件数が膨大になること」などからレベル3を届け出対象としないこと、

②石綿飛散について「故意」のみを罰し、「過失」は罰しないこと。罰金の額があまりにも低いこと(大防法違反罰金50万円、廃棄物処理及び清掃に関する法律は3億円)、

③レベル3建材の作業基準は「原形のまま」「湿潤化」というだけで「養生」を必須としていないこと、

④作業中のアスベスト漏えい検査をしないこと、

⑤完了検査を一応位置付けているが、第三者検査ではなく、仲間内の検査でよいとし全く不十分な検査であること、

⑥建築物等の通常使用時におけるアスベスト飛散防止する手段がないこと、多くの問題点が残されています。

4月以降に、国会で審議入りが予定されていますので、取り組みが急がれます。(いの健全国ニュースから)

注)レベル3とは、アスベスト建材には「レベル」が存在し、決定基準は「飛散性」にあります。レベル3は「飛散性・発しん性」が比較的低いとされていますが、アスベスト建材であることには変わりません。