釧路日赤病院、看護師パワハラ自死事件

By | 2018年8月10日

労災不支給取消求め提訴

釧路赤十字病院に勤めていた新人看護師、村山譲さん(当時36歳)が自殺したのは、職場でのパワーハラスメントが原因だったとして、遺族が2018年4月24日、国に労災認定を求める訴えを釧路地裁に起こしました。
訴状では、村山さんは2013年4月に同病院に就職。仕事上のミスを理由に、新人看護師向けのカリキュラムに沿った仕事を与えられず、医師らから「おまえはオペ室のお荷物だな」などと暴言を受けてうつ病を発症し、2013年9月に自殺したとしています。
遺族は2015年9月、労災申請しましたが認められず、再審査請求も2017年11月に棄却されていました。

 支援する集会を開く

提訴の前日夜、釧路市内で「村山さんの裁判を支援する会」の集会が開催され、医療関係者、市民など50人が参加しました。
担当の和泉貴士弁護士は、新人で手術室に勤務した譲さんは、職場の上司による質問攻め・無視・暴言・仕事が与えられないなどのパワハラが繰り返され自死に至った経過を報告し、事実を究明することと合わせて、地域医療の問題も明らかにしたいと報告しました。

北海道医労連の油石博敬書記長は「KKR札幌医療センターで過労死した杉本綾さんの裁判等と合わせて支援してゆく」と決意を表明しました。また、北見日赤病院から参加した看護師は「新人時代、手術室に配置されたことがあり、仕事が覚えられずくじけそうになった。幸い配置替えで助かったが譲さんの苦悩は理解できる」と支援の決意を語りました。

母親の村山百合子さんは「息子は地方公務員を経て看護師になった。『仕事ができない』事はない」と語り、「問題のある職場環境を変えて二度とこのような事件が起きないようにと提訴した」と支援を訴えました 集会にはテレビカメラをはじめメディア関係者が多くの取材が入りました。