新人看護師パワハラ自死事件-5

By | 2021年9月22日

 釧路赤十字病院新人看護師自死事件~労災認定も求める裁判

    証人尋問を傍聴して       板井 かね子

村山譲さんが、希望に満ちて釧路赤十字病院に就職してわずか6カ月で自死しました。8月23日24日、釧路地裁第12回期日で証人尋問を傍聴することが出来ました。
尋問の目的は①譲さんのミスの精神的負荷の度合い②スタッフとの人間関係③新人教育が譲さんにとって精神的負荷が強いものであったことを立証するためです。証人は6人で、母 村山百合子さん、当時の手術室勤務の師長・係長・指導者など4名の看護師と、パワハラを行ったとされる医師1名です。

証言では、譲さんはミスを大変多く繰り返す、注意や説明も理解できなく指導が難しかしい人だったと応える反面、詳しい指導内容については「その場にいなかった」など大半は具体性に欠けるものでした。適切な指導がなされていない可能性を示すものでした。
また労基署の聴取の際には、「あってはならない重大なミス」と発言した内容に対して「直接患者に影響なかった」「未然に防ぐ事ができ、重大なミスではない」と意見を変えましたが、いずれにせよ、大声や厳しい口調で注意した事実は認めさせました。さらに看護師長より譲さんが注射係から次のステップに進めないと判断した理由にミスが含まれていたことも明らかになりました。

原告である百合子さんの尋問では、病院に誠意がなく誰にも会わせてもらえず、挨拶すらできなかった。裁判を進める中でようやく得られた情報がいかにあったか、匿名の内部告発の手紙もその信憑性の確信が得られた内容も明らかにしました。
裁判長からは12月21日が結審、3月には判決との意向が示されました。