建物改修、届け出義務化
厚生労働省は先月、発がん性物質アスベスト(石綿)の飛散を防ぐため、石綿の有無にかかわらず、建物の改修・解体を労働基準監督署に事前に届け出ることを業者に義務付ける方針を決めました。 改修は請負金額100万円以上、解体は合計床面積80平方メートル以上の工事が対象となります。
業者は従来、改修・解体工事前に石綿の使用状況を調査する義務を負っていましたが、危険度の高い建材がなければ届け出は不要でした。しかし、調査が適切に行われず、石綿が飛散した恐れのある事例が多発したため、一定規模以上の工事には事前の届け出を義務付けることにしました。
事前調査は、必要な講習を受けた人などに限定し、制度を担保。事後に労基署が確認、指導できる様に業者には調査結果や作業記録の保存も義務付けます。
請負金額100万円以上の改修工事は18年度、213万件でしたが、改修・解体する建物に石綿が含まれていると労基署に届け出があったのは1万件強にとどまっているとのことです。