2019年労働安全衛生学校

三つの講演と報告、議論で充実した学びでした

第一講義

パワハラ問題~
            職場の対応を考える
                                                   講師:畠 由架利 氏 (産業カウンセラー)

職場におけるハラスメントはパワーハラスメントからセクハラ、マタハラ、モラハラなど多くが存在している。ハラスメント行為は、働く人の個人としての尊厳を不当に傷つける、社会的に許されない行為。しかし加害者は「指導したつもり、傷つけるつもりはなかった」と異口同音に自分は悪くないと釈明。しかしハラスメントを受けたために仕事への意欲が低下し、メンタル不調や病気につながり、さらには生きる希望を失い自殺することにもつながりかねない。行為者(加害者)にならないためには感情をコントロールする能力やコミュニケーション能力を身に付ける必要があり、被害者、行為者にならないためにチェックリストでの自己点検と合わせて、過重な業務を軽減し、労働環境を改善するなど働きやすい職場づくりが大切であることなどを指摘しました。
職場での対応では相談者のプライバシーを確保できる相談窓口の設置(職場内・労組・外部機関など)最終的な事実認定は公正中立な委員会の設置と慎重な審議が必要となる。
一旦事案が起きると多大な労力を要する。相談があれば「職場改善への第一歩」として働きやすい職場づくりにつなげる努力が必要と強調しました。

感想文から

★とても分かり易く、自分の経験や立場の違いを思いうかべて話を聞いた。“防止のためにアンガーマネージメント”について深く学びたいと思った。
★ハラスメントは増えている。1度ハラスメントが起きると解決に時間がかかり、被害者、行為者、会社に不利益を被ることなど分かり易い講義でした。職場で相手を尊重しながらコミュニケーションをとって行きたい。
★講義とても聞きやすくかった。職場でのハラスメントは無いと思っているが、自分が無意識でそういう行為をしていないかという思いに至った。ハラスメントの学習をきちんとしていないので、学習の必要性を感じた。

第二講義

労安活動の基本と
               小規模事業所の活動
                                               講師:村上 剛志 氏  (社会医学研究所・理事)

村上氏は、労働安全衛生法(労安法)の歴史は昭和47年に労働基準法から分離し体系化され、法制化で労災による死者が6千人から1千人に激減したと紹介。労働者の安全と健康の確保と快適な職場環境の形成促進するために労安法があり、事業者には労災防止の最低基準の遵守だけではなく、労働者の安全と健康を確保する責務があると強調しました。
小規模事業所の労安活動は、従業員50人未満の事業所に安全衛生委員会の設置義務はないが、労働者の意見を聞くための委員会や懇談を設けるべきと労安法で定められているとし、文科省は安全衛生委員会の設置義務のない学校も設置義務のある学校に準じた体制の充実に努めるべきとの通知や、ある教育委員会では衛生委員会を原則月1回以上の開催を求める通知を発出して安全衛生活動の活性化を促していると紹介しました。また、現場では長時間労働防止のために校内を消灯する「ライトダウン」、教員からの要求で男女別の休憩室を設置させた例が報告されました。
最後に村上氏は「労働者の安全と健康とは一人一人が生きていく人間として活動する基本条件であり、それを守るためには安全衛生委員会の機能の充実を期待する」と呼びかけました。

感想文から

★労働安全衛生法について学べた。具体的に院所担当者に聞かせたかった。
★本当の姿が理解できた。残業時間の管理ばかりに時間を使っていて職場環境の問題など議事に上がったことがない。
★50人以下の職場で安全衛生委員会も組合の中で初めて知ったのですが、必要性を強く感じた。
★安全衛生活動が多彩にあることを知った。要求を掴むことで活動計画が作れることも分かった
★労基法は意識しているが、労安法は健診だけで、理解していないことが分かった。働きやすい職場環境を整えるうえでとても重要だと改めて感じた。

 

第三講義

どうする「働き方改革」 への対応
                                                講師:木村 健一 氏(北海道国公・副議長)

働き方改革関連法の施行から、私たち労働者が職場の中で権利をどのように活用し生かせるものとするのかを、楽しく・明るく・分かりやすいお話しで進められました。長時間労働に歯止めをかける36協定について、締結に際しては労働者から時間制限について意見ができることや上限時間のカウントの仕方を説明しました。
有給休暇については、参加者の皆さんが一番興味を示し、有給休暇の使用については労働者がルールを知って声を上げること、有休を取りたいと言えば済むことですが、そのためには職場の体制を変えることが求められているなど、権利を行使するためには職場の意識改革と行動がカギであることを強調しました。

その後、教育職場の実態と改善に向けての取り組みについて、北海道高教組の菱木淳一さんから、医療現場の取り組みについて全医労札幌病院支部の小松原與加さんから報告がありました。

質疑・討論ではフロアーからの発言が相次ぎ、今こそ労働組合の力と学習が求められていると感じる機会となり多くの学びを得ることができました。

感想文から

★楽しく明るく分かりやすい。是非、職場に来て頂き、セクション長も含めてみんなに聞かせたい。
★年休取得・時間外ともに労働者の権利を主張でき、なお、業務が回る組織づくり、社会づくりが一部だけでなく、社会全体の動きに繋がっていくことを強く望む。
★36協定の締結の仕方、内容がよく分かった。
★労基法違反について使用者も理解してもらいたい事があるので、相互理解しながら法を守らせる事も重要と感じた。