裁判で係争中に国が労災認定:24時間勤務のビルメン労働者が勝訴

By | 2017年7月1日

24時間連続勤務のビルメンテナンスの仕事に従事していたSさん(45歳)は、長時間にわたる変則勤務により、2013年10月うつ病となりました。翌年3月労災申請しましたが不支給となり、2016年8月、国を相手に行政訴訟を提訴しました。

第2回期日前の3月初旬に国から「処分の『うち直し』を検討」と連絡があり、以後、原告と当該労基署で話し合いを行ってきました。

原告は、「24時間連続勤務中は仮眠が取れない状態であり、『手待ち時間』ではなく労働時間」と出張していました。国は裁判途上に再度現場労働者の聞き取りを行った結果、S氏の発病1ヶ月前の時間外労働が174時間46分あることを確認し、160時間を超える「特別の出来事」に該当するとして労災認定し、裁判の中止を判断しました。

原告は弁護団と協議し、6月13日それを受け入れることを決め裁判の取り下げとなりました。労災申請した2013年10月から14年2月までの休業・療養補償給付金の支給が決定しました。現在、14年3月以後の労災申請を行い、継続した認定をめざしています。

Sさんは「労災が認められず、体調不良のまま勤務に就き、結局病状は悪化してしまいました。最後は認められましたが、10年間にわたる体調不良と長い闘病生活を続けています。同じような勤務に就いているビルメン労働者の待遇改善につながればいいと思っています」と述べています。