連続オンライン講座第1回

By | 2021年6月8日

コロナ禍でのメンタルヘルス対応

いの健北海道センターはコロナ感染症対策で講演会などが制限される中、オンラインをメインにした連続講座の第1回目を、5月22日(土)午後開催しました。当日は、オンライン参加が36人、会場参加が6人でした。講師の田村 修精神科医師(勤医協中央病院)の講演概要を報告します。

コロナ禍でのストレス

2020年9月の筑波大学の調査では、ストレスを感じる人は8割、うつ病の可能性の高い人は約2割でした。
国連は2020年6月に「長期的な社会経済的コストを軽減するため、メンタルへルスへの過少投資を是正すること」と提言。

新型コロナウイルス感染症の心への影響

・安心・安全を脅かし、将来への不安や恐怖を強いる。
・心の健康を保つため人との交流が大事だが、従来の生活リズム・交流が妨げられる。
・生活・経済状況に大きな負担や損害をもたらし心に大きな負の影響をもたらす。
・今後の見通し、展望を立てにくい。
・結果として自責感・罪悪感をもたらしやすい。

自殺率の上昇

自殺率は10年間低下していたが、昨年7月から前年度を上回る。特に女性及び、児童生徒の増加が顕著。

コロナ禍で起きていること

① 感染症拡大の影響が女性の非正規労働者、学生、子供、要介護高齢者とその介護者当等、相対的に弱い立場の層に特に集中し、様々な格差を拡大する。その傾向が全国に広がる。
② 「3密を避ける」「不要不急・行動自粛」の中、不安・孤立感・無価値感が拡散。若年層が強いられる「望まない孤独」の影響により、メンタルへルス全般への悪化が懸念される。
③ このような危機的状況こそ「社会的包摂(互助・共助)が大事になるが、感染対策上 必要な物理的距離が相互の心理的社会的距離にも影響。さらに感染者や高リスクスポットを「排除」しかねない状況。罰則を含める政策動向は、一層「分断」を深めてしまう動きである。そうなってはいけない。

こころの健康とは

ストレスと上手に付き合い、ほどよい苦労もしながら自分らしい人生を送る事。こころの病気の有無とは関係がない。

ストレス対処方法

※セルフケアのコツ
自分をよく知る。ストレスに気づく。ストレスと上手に付き合う。
※オン、オフ を切り替える。三つの「R」
レスト:休息
レクレーション:気晴らし
リラックス:緊張をほぐす
※ストレスの原因、誘因の 軽減、緩和
※他者(同僚・知人・家族 等)への相談
※健康的な生活習慣(適度 な運動、睡眠、食事、排 せつ)
※話をすることの効用
・自分の気持ちを言葉にしてみるだけでストレス低 減の効果がある。
・その話を他者に聴いてもらうことで、さらにスト レス低減効果がある。
・ただし、話すのが苦手な人や苦手な相手に無理に話す必要はない。

首尾一貫感覚

「自分の生きている世にはそれなりの秩序がある」と信じられる力、「わかる感」「できる感」「やるぞ感」が過酷な環境下で心身の健康を維持する力として注目されている。
「一貫した体験」と「あなたは大切だ」と言う、今の社会からのメッセージが不可欠。
あなたは今の社会からその様なメッセージを受け取れていますか?あなたは周囲にその様なようなメッセージを発していますか?

自殺希少地域の特徴

ゆるやかな絆。身内意識が強くない。助けを求める抵抗感が少ない。格差感が小さい。広く、ゆるく、つながる社会をめざそう。