食品会社S支店長の過労自死事件会社と「和解」調印

By | 2016年5月1日

S支店長は課長職から突然、支店長に昇格しました。しかし、減員され、副支店長となった前任者の協力が得られず、達成困難な売り上げ目標の未達成が続き、精神的に追い詰められました。昇格5ヶ月後にうつ病を発症し、「降格」人事を告げられ、その2ヶ月後に自死しました。
労災申請は、会社の時間外労働の記録が不備だったこともあり、棄却されましたが、不支給取消訴訟で、支店長の過重な業務とその苦悩を詳しく主張し、勝訴しました。

その後、会社に対して謝罪と損害賠償を求めて話し合いを続けていましたが、今年3月下旬、裁判外の和解が成立しました。妻は、夫の6回目の命日の前日、「和解書」に調印しました。「6年間支えてくださった皆様に感謝いたします。過労死のない社会をと願っています」と語っています。

たたかいの経過

2010年3月  自死

2010年10月 労災申請

2010年11月 申立書の記載でいの健に相談

2010年12月 申立書を提出その後、聴取

2011年6月 札幌東労基署が不支給決定

2011年8月 道労働局に審査請求

2011年8月 弁護士に相談、意見書提出

2012年3月 労働保険審査官が棄却

2012年5月 厚労省に再審査請求

2012年12月 再審査請求が棄却

2013年4月 札幌地裁に不支給取消で提訴 - 以後、10回にわたる弁論

2015年5月 札幌地裁で勝利判決(確定)

2015年9月 会社に謝罪と損害賠償を求める

2016年3月 裁判外「和解」で調印