新卒看護師過労死労災裁判:国は過重労働を否認し争う

新卒看護師杉本綾さんの労災不支給決定取消訴訟は、4月21日、第2回期日が行われ、被告(国)は、原告の訴えを否認し、争う立場を表明。終了後行われた報告集会には60人が参加しました。

第2回期日は札幌地裁で一番大きな805法廷で行われ、傍聴席は満席となりました。
この間、原告、被告双方が準備書面を提出しました。被告(国)は、訴状に対する認否を示し、客観的事実以外はことごとく「不知」「否認」とし、杉本綾さんが過重な労働で苦しんでいたとの訴えに対して争う立場を示しました。

国は通り一遍の主張

もう一つは労災の認定基準の作成過程を説明し、専門家による検討を経てつくられ、この物差しで判断しているという、通り一遍の主張を行いました。

シャドウワーク

原告は被告の求めに応じて、シャドーワーク(自宅労働)について準備書面を提出しました。
綾さんは、帰宅してから自宅で学習していました。毎日記載した「振り返りシート」には先輩から「復習し再度実践」などと指摘され、看護技術や薬剤の学習を深夜まで行っていました。
弁護団はこうしたシャドーワーク(自宅学習)が労働時間として認定される判例を示して、隠れた時間外労働があると主張しました。

これから本格論戦

次回、第3回期日は8月4日です。原告のシャドーワークの主張に対して国が反論し、原告からも反論を行います。

他2件の新卒看護師自死事件、遺族が発言

報告集会では弁護団の報告の後、釧路の総合病院で新卒看護師の長男を亡くしたMさんと、札幌市内の民間病院で同じく長男を亡くしたIさんの母親が発言し、「同じ新卒で自死した事件は共通の問題がある」と訴え、看護師の勤務環境の改善につながることを望むと連帯の意を表しました。
最後にあいさつに立った鈴木緑共同代表は「満席の傍聴支援は裁判長に、いかに多くの人たちがこの事件に関心を寄せているかを示す事になります。看護現場の厳しい実態を広く伝えて、綾さんの無念の思いを看護師増員、夜勤交代制勤務の改善につなげていきましょう」と呼びかけました。