長男(新卒看護師)は日々の業務に苦しみ半年で自死しました

2013年9月、新卒看護師の長男(36歳)をパワハラ自死で亡くされた母親、Mさんから、審査請求が棄却されたことを受けて、手記が寄せられました。いの健道センターは、労災認定をめざして遺族を支援しています。

2013年4月、希望に満ちて釧路の病院に就職した新卒看護師の息子は、勤務して僅か半年後に「努力をしたが、成長しない人間は給料をもらう資格が無い」と遺書を残し、自ら命を絶ってしまいました。

私も看護師をしています。息子は私の姿を見て30歳の時、看護師になりたいと言って、10年間の公務員としての社会経験を経て、看護大学に入りました。予備校の先生方の勧めもあり、男性で卒業時には36歳になるので、専門学校よりも大学を卒業したほうが将来良いだろうと言うことで大学を選択したようです。

私達、親は年を取っていましたので、学費などは社会人時代に大好きな自動車の購入も控えて節約して貯めた貯金と学生支援機構からの奨学金、そして病院の奨学金を受けていました。不足分は少し、親が援助しました。

「人生の中で一番勉強したよ。充実していた。」と待望の看護師免許と保健師免許を取得し、卒業後、奨学金の貸与を受けた病院に就職しました。就職のとき、勤務場所を相談されましたが、年齢が高いこともあり体力のあるうちに苦労したほうがいいと思い、救急部門か手術室の勤務がいいのではないかと助言しました。息子は素直に「体力もあるし、器械の扱いも好きだから」と手術室勤務を希望し、希望がかなったと言って、大変喜んでおりました。

しかし、息子が自死した後に上司の師長より、「適応能力がない、何度教えても些細なミスが数多くある、チューターが指導で悩んでいた。職場でいろいろ言われていた。」などと告げられました。6月にインシデントを起こしたこともあり、一緒に入った同期は新しいことを経験させたが、息子さんは「足止め状態だった」とも言われました。

確かに新しい仕事で公務員時代とは違うのでうまく出来なかったと思いますが、たった3ヶ月で足止めになるような指導や教育があるのでしょうか?

私が育った昔の時代は、厳しく教えられても誰かが優しく見守ってくれていたと思います。しかし、この病院はそのような優しさは無く、また、決定的だったのは、医師から「お前はこの病院のお荷物だな」と言われてすっかり落ち込んでしまったのでは無いかと推測されます。

息子は9月の給料日に手をつけることなく、たった半年で自死してしまいました。

私は主人と一緒に病院に何があったのか、説明してほしいとお願いしましたが、職場の人には合わせてもらえず、病院職員には箝口令が布かれていると聞いています。

私たちは真実が知りたいと、労災申請しましたが不支給となり、現在再審査請求を行っています。

新人看護師は過酷な現場で苦悩を深めています。その新人を長い目で育てる職場環境づくりが大切と思っています。
夢だった看護師を諦めなければなかった息子の思いも含めて、私たち現場の看護師の声を届け、新人教育を改善することが必要と思います。

UHB(北海道文化放送)は、先月末、Mさんの事件について取材し放映しました。放映後、ネットで多くの書き込みがされ、反響が広がっています。新卒看護師の勤務環境改善と育成について関心が広がっています。