杉本綾さん民事裁判第2回期日

杉本綾さん過労死事件の民事裁判は、11月13日札幌地裁で第2回期日が行われました。被告の準備書面では、事実に関する「認否」は無く、次回以降に、原告から釈明を求めることになりました。裁判後に行われた「報告集会」での弁護団からの報告(概要)を掲載します。

         病院は過重な労働についての具体的な「認否」行え!

                        島田 度 弁護士

 この間、被告側は四つの準備書面を提出しました。内容は事実関係への認否をしないで、裁判例は少し引用しているものの、主に被告の主張を述べているものです。
今回の事例は労災が認められず、行政訴訟中に行政側が自ら誤りを認めて「自庁取消」で労災となったものです。被告の準備書面では、取り消された審査請求、再審査請求時の「裁決署」などを取り出して業務起因性はないと主張しているのです。なぜ、今更、「取り消された」ものを根拠にしたのか、非常に不可解です。率直に言って、「本当にこれでいいの?」という内容でした。

原告は、綾さんの勤務状況についてどのように受け止めているのかなどの具体的事実について認否してほしいとの準備書面を出しました。被告の返答が昨日、届きましたが「認否するつもりはない」という書面でした。
法廷でのやり取りで裁判長は「具体的事実は労災の聴取書などの文書・資料があるので分かりますよね」と言っていましたので、これらは事実上、訴訟の前提にするとは思いますが、普通はこの書類にはこう書かれているけれど、その内容についての意見はこうですとして準備書面を作るのが常識です。安全配慮義務違反がないとすれば、それはそれで主張すればいいと思います。プリセプター制度とか、振り返りシートを活用していたとかKKR病院として新人育成についての主張をすればいいと思います。しかし、それをしないのであれば、そもそも、安全配慮義務を争う法人としての姿勢としていかがなものかと思います。


今回の裁判長の訴訟指揮としては「具体的な認否は全部しなくてもいいから、原告から求釈明があればその都度検討します」という事でした。
次回期日(1月15日10時30分)に向けて、原告側の準備書面を出し、被告側に最低限の求釈明を求める主張を予定しています。
次回も口頭でのやり取りが予想されます。傍聴支援は弁護団としても大いに力になります。次回もまたご支援をよろしくお願いいたします。