杉本 綾さん民事裁判で原告訴え

  医療・働く人をまもる判決を!

   KKR札幌医療センター の新卒看護師・杉本綾さん(当時23歳)の過労死民事裁判が、9月17日札幌地方裁判所で行われました。
意見陳述した母親は「毎日3時間以上の残業と、自宅での持ち帰り残業で2~3時間の睡眠では心や体が病まないはずはない」「新人への過酷な業務内容や教育体制の不備は、他の医療従事者や他業種でも起こっている」「被告は労災認定の事実を認め、二度とこうした事件を起こさない様、業務改善を進めてほしい」「裁判所には、遺書を残して自ら命を絶ってしまった綾の気持ちを分かってもらいたい。今後の医療、働く人の心身を守ることにつながる判決をお願いします」と時折、声を詰まらせて意見陳述しました。

    これに対し、被告側代理人は「長時間労働はない、新人研修は実施していた、(綾さん)がうつ病にり患していた証拠はない」と安全配慮義務違反を全面否定しました。
訴状に対する答弁書でも、ことごとく「否認」を繰り返しています。

  常軌を逸した病院側の主張

「支援する会」の報告集会で原告代理人の島田度弁護士は「労基署の聞き取り調査の中で被告の従業員が話し、署名したものまで否認したのは驚くべきこと。先輩看護師のチェックを受けていた振り返りシートは原告側の開示請求で出してきたものだが、自分たちが保管していた証拠さえ否認するというのは常識ではあり得ない」と被告側の姿勢を批判しました。更に、「このような被告側の対応を許さないためにも、多くの皆さんが傍聴支援に来ていただきたい」と訴えました。

「支援する会」共同代表の細川誉至雄医師は「病院側が綾さんの自死について責任がないという立場をとり続けていることに医療者として大変違和感を覚える。病院の医療安全管理体制、衛生委員会が機能していたのか今後の裁判で明らかにしてほしい」と話しました。 佐藤誠一事務局長は「今日の被告側の主張には驚いた。過重労働で労災が認められた場合、民事裁判を回避するケースが多い。当該の労働組合とも相談して、被告側の不当性を訴える行動に取り組みたい」と述べ、「問題の背景には深刻な看護師不足と看護労働の過重性がある。この裁判は国民の医療をまもる、まともな医療・看護体制を実現するたたかい。勝利めざしてがんばりましょう」と呼びかけました。
   次回期日は、11月13日(水)11時からです。
支援する会では傍聴支援を呼び掛けています。