「働き方改革」による働き方

 「雇用によらない働き方」で、労働者の権利を侵害するな!

 4月12日に厚生労働省は、「個人請負」など、雇用に類似した働き方をする人が170万人に上っているとの調査結果を公表しました。

自ら求めて個人請け負いの仕事を行っている人もいるでしょうが、これとは別に2017年から私たち、ローカルユニオン「結」に寄せられる相談の中に使用者から個人請負になるように迫られるケースが出てきました。
①求人募集に応募したが、個人事業主扱いでトラック運送業務をさせられている。車両    はリースでガソリン代も自分持ち、健康保険もない。日当11,000円で、会社できめたコースで、時間が長く仕事がきついので辞めたい。
②美装会社でパートの清掃労働者として働いていたが、業務を縮小するから辞めるか個人請負になるか選択を迫られ、同僚の3人は致し方なく個人請負になった。
③建設会社に35年も勤務している60代の営業職だが、売上が下がっているとの理由で退職か個人請負になるかの選択を迫られ、うつ病となり休職している。
④ドーコンの下請け会社で、開発工事による環境破壊などの調査業務をしている男性は、社長から生産性が悪いと退職か個人事業者になるかを迫られている。など

2016年までほとんど無かった個人請負への転換を迫られるケースが増えています。使用者は、アベノミクスによる聖域の無い規制緩和によって激烈な生き残り競争を強いられています。従業員を個人請負に転換させ、労働コスト削減を図ろうとする使用者が増えているのは、そのような背景からきているのではないでしょうか。
安倍政権が進める「働き方改革」は、雇用によらない多様な働き方を増やす方向を打ち出しています。労働基準法、最低賃金法、労災保険の適用がなく、企業の健康保険、厚生年金への加入が出来ない個人請負は、社会的セーフティネットから外れるだけで無く、厚生労働省の発表のように多くの場合、低賃金を強いられています。雇用によらない働き方は、不当な合理化のためですから、これが増えると雇用契約による労働者の労働条件も低下させ、職場環境を悪化させると警鐘をならす必要あります。

吉根 清三氏 札幌ローカルユニオン「結」労働相談員