杉本 綾さん過労死、労災認定

    国が自ら裁判を取り下げ

2012年、過労自死した杉本綾さん(当時23歳)の労災の不支給処分の取り消しを求める裁判は、年内結審に向けて大詰めを迎えていましたが、急展開となりました。10月17日、札幌東労基署と北海道労働局の関係者が、原告・弁護団に対して「不支給処分を取り消し、労災を認める」と伝えました。行政庁が自らの決定を取り消すのは異例のことです。
「新卒看護師の労災認定と裁判を支援する会」は10月26日、「杉本綾さん過労死裁判報告集会」を開催。弁護団は、「国は、原告が主張した自宅に持ち帰った仕事(シャドーワーク)について、、研修レポート作成や業務に関わる準備作業を労働時間として認め、昼休み休憩も毎日30分しか取れなかったとして、投薬ミスのインシデントの前後で月100時間を超える長時間労働があったとして認定基準に合致し、労災支給することにした」と説明しました。

しかし、「新人看護師や急性期病院の看護業務の過酷さなどについては反映されていない」とし、労災認定になったことは評価できるが、今後の課題も残されていると報告しました。また、民事訴訟の課題にも触れました。
原告(母親)は「この結果はみんなの力、そしてメディアの力です」と謝意を述べ、綾さんがのびのびと豊かに育ってきた経過を語り、苦しかったたたかいについて、「綾の死だけでなく、助けられる人がいるかもしれないと思い必死に生きてきた。一人で家にいると、毎日のように思い出し涙が出てくる日々。こういう気持ちの親をもう作りたくない」と語りました。

集会では「支援する会」共同代表の鈴木緑さん(北海道医労連執行委員長)がお礼と報告を行い、医師意見書を提出した田村修医師、日本医労連の森田しのぶ委員長、道労連の三上友衛議長、国共病組本部の工藤めぐみ副委員長などとともにいの健道センターの細川誉至雄理事長が、お祝いとともに「成果を今後に生かしたい」と挨拶しました。他の団体・個人から心温まる挨拶が続きました。