出入国管理法改定

外国人労働者の受け入れ拡大

 人権侵害まん延・拡大の危険

                                                   小野寺 信勝 弁護士(北海道合同法律事務所)

  北海道に8,500人の「技能実習生」

入管法改正では、「特定技能」という新たな在留資格を創設し、非熟練労働者の受け入れを目指しています。
日本政府は入管法改正の理由は「深刻な人手不足に対応するため」と説明しています。日本政府は一貫して非熟練労働者の受け入れを認めてきませんでした。その代わりに、外国人労働者を「技能実習」という本来、労働を目的としない在留資格によって大量に受け入れてきました。全国では28万人超の技能実習生が在留していますが、北海道は主に水産加工と農業分野で約8,500人もの実習生を受け入れています。このようないわゆるサイドドアによる受け入れの増加は、同時に、技能実習生への深刻な人権侵害も生み出しました。低賃金・長時間労働、逃亡防止のための強制貯金や旅券の取り上げ、強制帰国、暴力などその被害は深刻です。日弁連は人権侵害の温床である技能実習制度の廃止とそれに代わり非熟練労働者受け入れのための資格創設を求めてきました。
政府はついに非熟練労働者受け入れに舵を切ろうとしています。「特定技能」という在留資格の創設がそれにあたります。

  「特定技能」の問題点

ところが、「特定技能」の創設にはいくつもの問題があります。
まず、特定技能が創設されても技能実習制度は廃止されません。つまり、技能実習生の人権侵害の問題は残されたままとなっています。また、「特定技能」は1号と2号に分けられ、2号は1号からの移行を想定しています。技能実習1号では最長5年間の在留を認められますが、この間は家族帯同が禁止されています。家族が共に暮らせないのは非人道ですし、日本政府も批准する自由人権規約や児童権利条約では家族が共に暮らす権利を保障しているように、人権上も問題があります。さらに、技能実習制度は民・民での受け入れのためブローカーが介在し、多額の保証金や違約金など悪質なケースが多く発生していました。特定技能も同じ枠組で受け入れるため、ブローカーが介在する問題が残ります。

  外国人との共生政策は喫緊の課題

そして、なにより外国人との共生の視点が欠如しています。安倍首相が「移民政策ではない」と喧伝していますが、この発言は外国人を労働力とのみみなし「生活者としての外国人」の側面に目を向けないと宣言したに等しいと考えています。

過労死防止対策シンポジウム 

『過労死ゼロの社会を』

  川人 博 弁護士が基調報告

11月22日札幌市内で、厚生労働省主催の「過労死等防止対策推進シンポジウム」が開催され、経営者、会社員、公務員など149人が参加しました。基調講演、体験報告、取組事例報告などから学びの多いシンポジウムとなりました。

「女工哀史」と過労死

冒頭、紡績工場の女工の「過労死」に触れ、日本では明治・大正・昭和初期にも過労死は発生していたとし、今日につながると指摘しました。
戦後の新憲法下で一日8時間の労働基準法が制定されましたが、高度成長下で長時間労働が経営システムに組み込まれ、今は「生き残り」をキーワードに過労、ストレスが広がり、過労死の認定者は年間800件、うち死亡事案は200件。
しかし、労災認定者は過労自死事案の「氷山の一角」。自殺統計からみると、労災認定者は推定で4~8%に過ぎないとしました。

留意すべき過労死事案

最近の過労死の事例として、①若年労働者の問題、②管理職の問題、③裁量労働制の労働者、④看護師の過労死、⑤海外出張者、⑥高齢者・障害者の過労死などの事例を報告しました。

「過労死」検討の課題

過労死対策を考えるうえでの課題として次の5点を提起しました。
①「過労死が発生する職場では業務不正も発生することが多い」として、足元から企業  の健全な発展を目指すこと。
②「たかが労基法違反」との意識を払拭することが必要として、適正な労働時間管理と業務量と人員配置に留意することに会社役員・幹部は特段の配慮をすることが不可欠。
③「ハラスメントを生む土壌を無くすこと」が重要。上司自身が疲弊し、部下へのハラスメントの要因になっていないか?と問いかけ、かつての日本軍の暴力・いじめの構造と指摘された「抑圧の移譲」が引き継がれていないかと問いかけました。
④近年は「お客様は神様」と強制され、客も労働者も人間であるという当たり前のことが忘れられていると警鐘を鳴らしました。
⑤最後に労働組合の役割の重要性を指摘し「全職場で労使の話し合い」をと呼びかけ、特に勤務時間に「インターバル規制を」と強調しました。インターネットの普及で24時間メールでの指示が出る状況について、フランスでは「業務メールを見ない権利」が法制化し、「オフの時間を確保」していると報告しました。

多くの過労死事件を担当され、過労死等防止対策の中心メンバーとして活躍している川人弁護士の講演は各層からの参加者に「過労死ゼロ」に向けて多くの示唆を与えてくれました。

 

『取り組み事例報告』

 北大生協の労働安全衛生活動

   岸本 敬一   北海道大学生生活協同組合 専務理事

〈北大生協の概要〉

広い大学の構内に食堂や店舗など34の事業所があり、毎日2万人が利用しています。1万人は食堂利用者です。飲食部門は人手不足が続き、残業も増えがちで労働時間管理にも苦労しています。

〈衛生委員会の概況〉

正職員は47人、パート等が279人、アルバイトが188人で、約600人の職員の衛生管理を委員会が担っています。構成は統括責任者の専務理事と産業医、委員は労組から3人とオブザーバーなど合計8人です。毎月実施しています。

〈活動内容〉

① 労働時間の調査
毎月、全職員の時間外を把握しています。45時間と80時間を超える場合は色分けで表示され、その人の業務内容の見直しや体制の整備を検討します。

② 労災対策
各職場内、通勤事故での転倒や骨折の未然防止を呼び掛けています。冬場が大変です。また、食堂でのやけどやケガ、腰痛対策が重要です。

③ 休日労働の把握
労組に報告し、振替休日を与えることにしています。しかし月内消化が困難です。

④ 職員健診とストレスチェックについて産業医に対応してもらっています。

⑤ 職場巡視
毎月、巡視しています。年に1回はすべての職場を回る事にしています。空調・湿度・水漏れ・やけど対策などを基本に点検し、報告書を作成し、改善する場所を写真に収めて管理者に知らせています。

⑥ その他、
メンタルヘルス研修会(所属長向け)、弁護士による働くルールの講演会(パートも含む)、インストラクターやカイロプロティスクによる腰痛や肩こりなどの予防対策などを行っています。
みんなで働きやすい、健康で安心できる職場を作ることに努力しています。

施策説明

「最近の労働基準行政の動き」をテーマに北海道労働局労働基準部監督課長の戸高正博氏が報告しました。
北海道の労働時間、有給休暇の取得状況、労基署に寄せられた法令違反の状況。厚生労働省の過労死ゼロ緊急対策について説明がありました。

新人看護師のパワハラ自死労災不支給処分取消事件

 村山 譲さんのパワハラ自死労災不支給処分取消事件

 公正な裁判によってパワーハラスメントのない職場をつくるための請願署名

2013年、釧路赤十字病院の新卒看護師村山譲さんがパワハラ自死した事件で、遺族が提訴した労災不支給取り消し裁判は9月18日、第2回期日でした。
国は原告の訴状に対する認否を行いましたが、一般論に終始し、パワハラの事実に関しては「否認」または「争う」とするのみで具体的な主張はありません。次回期日は12月20日です。 釧路市を中心に作られた「支援する会」では「公正な判決を求める署名」に取り組んでいます。皆さんのご協力をお願いいたします。

         

村山さん署名用紙

2018年北海道セミナーIn釧路

「いのちと健康第一」の働き方を!  

 メンタルヘルス・パワハラ、働き方、 労災補償、アスベストなど討論

2018年働く人びとのいのちと健康をまもる北海道セミナーは、10月20~21日、8年ぶりに釧路市で開催し、地元をはじめ十勝・北見・札幌などから94人が参加。講演と報告、討論で学びあい交流しました。

細川誉至雄実行委員長(いの健道センター理事長)は「『働き方改革』が成立しましたが、悪法を職場に持ち込ませず、いのちと健康を大切にする職場づくりが大事です。胆振東部地震でブラックアウトとなり、各地に大きな被害が及びましたが、防災対策、災害時の対応などを見直し、安心できる職場・地域づくりを進めてゆこう」と開会あいさつを行いました。 吉岡猛現地実行委員長(道東勤医協釧路協立病院:医師)は、自らの振動病など労災・職業病の診断・治療の実践を踏まえて、セミナー開催の意義にふれ、人間らしいまともな働き方の実現目指して学び、交流してほしい」と歓迎挨拶を行いました。 続いて、佐藤誠一実行委員会事務局長が「基調報告」を行いました。

 

  記 念 講 演

「みんなで取り組む職場 のメンタルヘルス対策」
     講師 田村 修氏  (勤医協中央病院精神科・リエゾン科医師)

講演はスライドを示しながら3択での選択を聴講者に問いかける、全員参加型を取り入れました。 「心の健康とは」ストレスと上手に付き合うことであり「程よい苦労をしながら、自分らしい人生を送る事」とし、過剰なストレス下で身体的反応→行動の変化と心理的反応→思考の変化に陥るとしました。職場のストレッサーは①仕事の量(長時間労働・過重労働)②仕事の質(専門性・責任・苦情処理などの感情労働)③周囲のサポート(孤立・抱え込み・コミュニケーション不全)などがあるとしました。 厚労省はメンタルヘルス対策の「4つのケア」①セルフケア、②ラインによるケア、③事業場内産業保健スタッフによるケア、④事業外資源によるケアを紹介し、セルフケアのコツとして「自分をよく知る」「ストレスに気づく」「ストレスと上手に付き合う」ことしました。 職場の仲間に①体調不良で休む、②仕事の能率が落ちる、3対人関係のトラブルが起こる、④交通事故・飲酒問題などが起こる場合、メンタル不調が疑われ、うまく「介入」すること、積極的傾聴法について説明しました。また、休職した場合の休職中の対応、復職にあたっての職場の対応について具体例を示してその基本を示しました。 大事なことは「メンタルヘルス対策はみんなのためである」とし、問題の発生は職場環境改善の糸口であり、職場全体に還元されるとし、全員が「お互い様」の関係にあることを理解しあって対処することと指摘しました。

  全 体 会  特別報告(概要)

おさえておきたいパワハラの基礎知識    安彦 裕介氏(弁護士)

セクハラは法的定義があるが、パワハラは定義がない。厚労省は2012年に「円卓会議」の提言、今年3月に「検討会報告」の概念を示している。職場のパワハラの責任を巡る判例を示しながら、使用者の権限と関連しない場合と、する場合での対応の違いについて指摘した。パワハラが起こった場合の対処の留意点、パワハラと労災補償の問題点などを示した。

働く自営業者の実態     岩淵 裕氏(釧路民商)

全商連共済会の「17年度健康診断結果」をもとに、自営業者の有所見率は8割台に上っており、一般労働者の健診結果の5割台を大きく上回る。自殺者は42人で初診から死亡までの期間が短いと厳しい実態を報告。 釧路民商の「経営・暮らし・健康」調査では、健康不安がある58%であるのに対して3割は病院に未受診。理由は「忙しい」「治療費が高い」などで、休みが取れない状態。自営業者のいのちをまもる活動が大切。

私の事故体験と対策     箕浦  邦雄氏(農業)

十勝管内の農家の過去5年間の傷害事故者は平均10%。農家戸数が減っているのに減少しない。自身、多くの事故を体験し、その予防策を考え実践してきた。その具体例をスライドを交えて12項目報告した。

日赤病院のパワハラ自死事件   支援する会・原告

新人看護師が手術室に勤務し、5ケ月半で自死。医師から「病院のお荷物」などと言われ、研修記録では上司等からのパワハラも受けていた。しかし、労災は不支給となり、今年4月、不支給の取り消しを求めて提訴した。地元で組織している「支援する会」の活動と、原告(母親)から「安心して業務が行われることを願う。署名への協力を」と訴えがされた。

 

 

杉本 綾さん過労死、労災認定

    国が自ら裁判を取り下げ

2012年、過労自死した杉本綾さん(当時23歳)の労災の不支給処分の取り消しを求める裁判は、年内結審に向けて大詰めを迎えていましたが、急展開となりました。10月17日、札幌東労基署と北海道労働局の関係者が、原告・弁護団に対して「不支給処分を取り消し、労災を認める」と伝えました。行政庁が自らの決定を取り消すのは異例のことです。
「新卒看護師の労災認定と裁判を支援する会」は10月26日、「杉本綾さん過労死裁判報告集会」を開催。弁護団は、「国は、原告が主張した自宅に持ち帰った仕事(シャドーワーク)について、、研修レポート作成や業務に関わる準備作業を労働時間として認め、昼休み休憩も毎日30分しか取れなかったとして、投薬ミスのインシデントの前後で月100時間を超える長時間労働があったとして認定基準に合致し、労災支給することにした」と説明しました。

しかし、「新人看護師や急性期病院の看護業務の過酷さなどについては反映されていない」とし、労災認定になったことは評価できるが、今後の課題も残されていると報告しました。また、民事訴訟の課題にも触れました。
原告(母親)は「この結果はみんなの力、そしてメディアの力です」と謝意を述べ、綾さんがのびのびと豊かに育ってきた経過を語り、苦しかったたたかいについて、「綾の死だけでなく、助けられる人がいるかもしれないと思い必死に生きてきた。一人で家にいると、毎日のように思い出し涙が出てくる日々。こういう気持ちの親をもう作りたくない」と語りました。

集会では「支援する会」共同代表の鈴木緑さん(北海道医労連執行委員長)がお礼と報告を行い、医師意見書を提出した田村修医師、日本医労連の森田しのぶ委員長、道労連の三上友衛議長、国共病組本部の工藤めぐみ副委員長などとともにいの健道センターの細川誉至雄理事長が、お祝いとともに「成果を今後に生かしたい」と挨拶しました。他の団体・個人から心温まる挨拶が続きました。

釧路日赤病院、看護師パワハラ自死事件

労災不支給取消求め提訴

釧路赤十字病院に勤めていた新人看護師、村山譲さん(当時36歳)が自殺したのは、職場でのパワーハラスメントが原因だったとして、遺族が2018年4月24日、国に労災認定を求める訴えを釧路地裁に起こしました。
訴状では、村山さんは2013年4月に同病院に就職。仕事上のミスを理由に、新人看護師向けのカリキュラムに沿った仕事を与えられず、医師らから「おまえはオペ室のお荷物だな」などと暴言を受けてうつ病を発症し、2013年9月に自殺したとしています。
遺族は2015年9月、労災申請しましたが認められず、再審査請求も2017年11月に棄却されていました。

 支援する集会を開く

提訴の前日夜、釧路市内で「村山さんの裁判を支援する会」の集会が開催され、医療関係者、市民など50人が参加しました。
担当の和泉貴士弁護士は、新人で手術室に勤務した譲さんは、職場の上司による質問攻め・無視・暴言・仕事が与えられないなどのパワハラが繰り返され自死に至った経過を報告し、事実を究明することと合わせて、地域医療の問題も明らかにしたいと報告しました。

北海道医労連の油石博敬書記長は「KKR札幌医療センターで過労死した杉本綾さんの裁判等と合わせて支援してゆく」と決意を表明しました。また、北見日赤病院から参加した看護師は「新人時代、手術室に配置されたことがあり、仕事が覚えられずくじけそうになった。幸い配置替えで助かったが譲さんの苦悩は理解できる」と支援の決意を語りました。

母親の村山百合子さんは「息子は地方公務員を経て看護師になった。『仕事ができない』事はない」と語り、「問題のある職場環境を変えて二度とこのような事件が起きないようにと提訴した」と支援を訴えました 集会にはテレビカメラをはじめメディア関係者が多くの取材が入りました。

提訴して2年、やっと証人尋問へ

うつ病に罹患した21世紀総合研究所の主任研究員

 四年前に労災認定

Y氏(男・46歳)は(株)北海道21世紀総合研究所で主に環境、廃棄物処理・リサイクル分野の調査・研究を行っていましたが、月平均110時間を超える時間外勤務を余儀なくされ、2006年1月にうつ病を発症しました。休業中に主治医の意見を聞くこともなく研究所が症状が軽減したと判断して職場復帰させられた上、給料が減額され、退職勧告を受けました。パワハラも続き雇用不安を感じたため、弁護士に相談し、札幌ローカルユニオン「結」に加盟し「いの健センター」の支援を得て労災申請し、2014年1月発病時にさかのぼって労災認定となりました。

 民事訴訟提訴

研究所に対して「結」を通して減額された給料の支給などを求めましたが、拒否されたため、2016年1月、安全配慮義務違反と労務管理をせず、長時間労働やうつ病にり患した労働者を働かせ続けた故意または過失の不法行為があるとして、研究所と取締役で上司のH氏に対する損害賠償請求を札幌地裁に提訴しました。 請求内容は①賃金の減額分、②労災対象外の治療費、③逸失利益、④慰謝料等です。

 裁判進捗求める

提訴して2年が経過し,この間5回の口頭弁論と弁論準備を15回行いました。被告は裁判長からの和解提案に対して明確な態度を示さず、原告の提案を否定しました。その上、「研究員の仕事は本人の裁量で行っている」として「三六協定」の未届けや労働時間の無管理に無反省です。更に原告の病状について「治癒しているのでは」「主治医に会いたい」等と主張し、他の医師の「意見書」を提出しました。しかし、その内容は精神疾患の認定基準の解説が主でY氏の病状に沿ったものではありません。結局、裁判の引き延ばしを行ってきたかのような経過をたどりました。

 6月に証人尋問か?

2018年3月13日の弁論準備で、裁判長は証人尋問を前提に、原告に陳述書の作成を求めました。2018年6月には証人尋問が行われる見通しです。原告は「久しぶりの口頭弁論となります。原告は「久しぶりの口頭弁論となります。是非、傍聴支援を」と呼びかけています。

休憩中に車内でCO中毒死

 逆転で労災認定

2016年2月、商業施設(帯広市内)の製菓店で働いていたH氏(当時19歳・男)は、休憩中に自家用車内で一酸化炭素(CO)中毒で死亡しました。遺族が申請した労災補償は不支給とされましたが、国の労働保険審査会は先月、不支給とした帯広労基署の決定を取り消しました。

H氏は、施設の駐車場内の車内で昼食休憩中でしたが、当日は大雪の為、車内で一酸化炭素(CO)を吸い、亡くなりました。 遺族は、事業場には休憩室が無く、自家用車内で休憩を余儀なくされていたとして、帯広労働基準監督署に労災申請し、「帯広労連」を通じて、いの健道センターとつながりました。その後、不支給となったため、弁護士面談を通じて審査請求を行いました。棄却後、再審査請求を行い、ダメなら裁判も辞さないとしていましたが、1月26日付で労働保険審査会は、原処分を取り消しました。

急性一酸化中毒で死去した Hさんの終了事例

2018年1月26日、労働保険審査会は、帯広市内の商業施設内で働いていたHさんの急性一酸化炭素中毒のための死亡が業務上の事由によるものと認め、労働基準監督署長が行った遺族補償給付等の不支給処分を取り消す裁決を下しました(弁護団は長野順一弁護士、佐々木潤弁護士、瀨戸悠介弁護士、及び当職)。

Hさんは、業務の休憩時間中、商業施設の駐車場に停めていた自家用車内で休んでいたところ、当日の大雪によってマフラーが塞がれ、車内に流入した排気ガスによって急性一酸化炭素中毒を発症し、死去されました。

被災者の死亡が業務上の事由によるものと認められるためには、①「業務遂行性」及び、②「業務起因性」の要件が認められる必要があります。①「業務遂行性」とは、労働者が労働契約に基づき事業主の支配下にあることをいい、②「業務起因性」とは、労働者が労働契約に基づき事業主の支配下にあることに伴う危険が現実化したものと経験法則上認められることをいいます。

労働基準監督署長は、Hさんが、職場である店舗を出て休憩に入った時点で事業主の支配下を離れたとして、①業務遂行性を認めず、遺族補償給付等を不支給としました。この結果に対して、ご遺族からご相談を受けた弁護団が代理人として加わり、労働基準監督署長による不支給処分の取消を求めて、労働者災害補償保険審査官に対する審査請求を行いました。

弁護団は、①休憩時間中であっても、事業主が本件駐車場の利用料を負担していること等から、Hさんは事業主の施設管理下(支配下)で被災したものであり、業務遂行性が認められることを主張しました。また、②本件事業場には休憩施設が設けられていなかったため、Hさんには自家用車内以外に休憩場所がなかったこと、及び悪天候時の駐車場所を上司から指定されていたこと等に基づき、本件事故は事業主の支配下にあることに伴う危険が現実化したものであって、業務起因性も認められるとの主張を行いました。

これに対して、労働者災害補償保険審査官は、本件事故に①業務遂行性があることは認めました。しかし、②業務起因性については、本件傷病が施設やその管理の欠陥に起因したとは認められず、また自家用車内の休憩行為は業務付随行為とも認められず、さらには天災地変に際して災害を被りやすい業務上の事情も認められない等として否定し、労働基準監督署長の結論を維持しました。

ご遺族及び弁護団は、この結論を不当として、労働保険審査会に対して再審査請求を行いました。その結果、労働保険審査会は、当方の上記主張のとおり、本件事故に①業務遂行性があることを認め、かつ②業務起因性があることを否定し得ないとして、労働基準監督署長が行った遺族補償給付等の不支給処分を取り消しました。

再審査請求でも結論が変わらない場合には、国を被告として取消訴訟を提起しなければなりません。争いを司法の場まで移すことなく、行政段階で終えられたことは、非常に喜ばしい結果であると受け止めています。また、再審査請求で労働基準監督署長の不支給処分が取り消されることは珍しく、その意味においても本裁決は大きな意義を有していると考えています。
                                                                                                   さっぽろ法律事務所
                                                                                                              弁護士 安彦 裕介

 

化粧品製造職員のうつ病

化粧品製造会社に勤務していたHさん(45歳・男性)は、入社以来、経営者に業務以外も隷属を強いられ、人格を否定される「パワハラ」を受け続けていました。2016年春に突然、取締役就任を強いられ、5ヶ月後に平社員に降格され、「嫌なら退職」と言われました。「抑うつ状態」となり休業し、2017年6月に退職勧告を受けました。
弁護士に相談し退職はストップをかけましたが、自宅療養は続いています。その後、妻の支援を得て、いの健センターで面談を重ね、2018年1月、労災申請しました。

大手製紙工場の過労死 調停で和解

2013年9月、大手製紙工場内で電気技師のAさん(当時30歳)が感電死しました。災害発生時は年に一度の「休転期間」で、工場は稼働を停止して設備の点検・保守を行っていました。担当のAさんは徹夜作業中で、9月は亡くなる21日まで、118時間の時間外労働を行っていました。
会社は労災事故として対応し、労災補償は認定されましたが、妻のMさんは「夫は過重労働に苦しんでいた」として、会社への損害賠償を求めるとして弁護士に相談しました。
一昨年、札幌簡易裁判所に調停を申し入れ、以後、9回の調停が行われ、昨年12月26日、謝罪、労災死の労働者の碑を建立する、解決金などで合意が成立しました。
Mさんは2人の子供さんを抱える中、亡くなって4年3ヶ月間、「過労死家族の会」の皆さんにも支えられながら、たたかい続けました。

製紙工場で過労死したAさんの解決事例

Aさんは、2013年9月21日、工場内での労災事故で亡くなられました。年に一度の「休転期間」という工場をストップさせての保守・点検作業中の事件でした。
最初のご相談のとき、既に労災の認定はされており、一定の長時間労働も認められていました。しかし、それ以上の証拠が手に入ることはありませんでした。私たち代理人が最も悩んだのは、妻Mさんのお話をお伺いし、これが過労死であると確信しつつも、正面から過労死と言えないという点でした。死因が感電死だったために、脳心臓疾患とも、精神疾患による自死とも言えず、長時間過密労働との因果関係が問題になるからです。訴訟ではこの点を乗り越える必要があり、それは非常に困難と思われました。
そこで、私たちが選んだ手続は、民事調停手続でした。民事訴訟と違い、民事調停手続はあくまでも当事者間の話し合いによる解決を目指します。そのため、会社がこれに応じなければそこで終了です。会社には内密に準備作業を進めてきたので、会社の態度は分かりません。いわば、一つの賭けに出たのです。
結果は成功でした。会社も真摯に対応してきたのです。こちらが求めた記録や、労働状況の改善案についてもある程度柔軟に提示してきました。会社の主張を前提としても、直近の時間外労働時間は、2013年9月1日から17日までで117時間であり、うち同月9日から17日までは13日間が連続勤務という長時間過密労働が行われていたことに争いはなく、会社にも訴訟移行した場合のリスクがあったからかもしれません。
今回、勝利的和解を勝ち取りましたが、そこへ至る道も困難の連続でした。調停申立てから、実に9回もの期日を重ねました。会社は、道義的責任を認めつつも法的責任は否定し、解決水準にも大きな開きがありました。謝罪の言葉にも大きな抵抗を示されました。 状況を変えてきたのは、常にMさんの思いでした。その強い思いは、会社や調停委員だけではなく、私たち代理人をも奮い立たせ、大幅な解決水準の引き上げだけではなく、会社側から社業の寄与に対する感謝、長時間過密労働を行わせたことへの謝罪、亡くなられたことへの遺憾の意をそれぞれ表明させ、労務管理の改善策を提示させるなど、訴訟では勝ち取りえなかった条項まで、勝ち取ることができました。
私たちにとっても、過労死案件を民事調停で解決させることは初めての経験でした。困難があっても諦めずに、事実を元に説得をする。その基本が改めて重要であることを教えて頂きました。
 北海道合同法律事務所
弁護士 池田 賢太

特別支援学校教員自死事件で公務災害申請

2017年12月、2年前に自死したS教員の遺族と代理人弁護士は、学校長を訪れ、S教員が自死したのは公務災害にあたるとして地方公務員災害補償基金北海道支部長宛の申請書を提出しました。
事件は生徒からの申し出でS教員の対応が問題とされ、当時の校長及び副校長から頻繁に面談が繰り返され、S教員は生徒の申し出を認めなければならない状況に追い込まれたとして自らいのちを断ちました。
遺書には「不当、偏見に満ちた面談」「「中立な立場の人が誰も存在しない」「自分の心を偽って証言するのは本当に苦しい」などと記されていました。
遺族はこの2年間、事実の立証のために、関係者の支援を受け弁護士とともに努力を重ねてきました。

過労死防止シンポジウム

 札幌 落語で過労死防止を訴え

 厚労省主催の過労死防止を考えるシンポジウムが、2017年11月24日、札幌市男女共同参画センターで開催され170人が参加しました。今回は初めて平日の午後行われ、各事業所から職員が参加しました。

 

会社も労働者も社会全体で 今こそ、過労死のない社会を

講演:上野武治氏  (精神科医師)

電通の過労死事件をはじめ最近の過労死動向にふれ、厚労省が長時間労働対策に取り組んでいる状況にあるとしました。
その上で、労働者のうつ病の病態と治療に関して業務関連ストレスで発症し、睡眠障がいと意欲の減退が起こり、脳内の画像では前頭葉の代謝低下に至る。回復に長期間を要し、自殺の原因になりやすいと指摘しました。
治療のポイントとリハビリ・職場復帰の課題と留意点に触れた後、発症前への回復には3年程度有するとし、予防の重要性を強調しました。
ILO(国際労働機構)は質を重視した労働時間を提唱しており、国連の社会権委員会は日本政府に対して、過重労働や過労死、セクハラに対して「勧告」を行っているとして、長時間労働・過労死根絶の取り組みの重要性を指摘しました。
そして、安倍政権の「働き方改革」は青天井の時間外労働を導入する危険があること、「残業規制」と言いつつ、繁忙期は月100時間までの時間外を認めるなど過労死ラインを容認していると懸念を表明しました。

 

 家族の会体験報告

① 吃音のある新卒看護師のパワハラによる自死の件について、母親から報告されまし た。
病棟勤務でしたが患者さんへの検査の説明で読む練習を求められ、スタッフが行き交う中でうまく話せず、強いストレスを受けていました。試用期間後もその延長を告げられ、    13年7月、勤務して4ヶ月目で「こんな自分に価値はなく・・・」との遺書を残して自死しました。
労災は不支給となり、その取り消しを求めて札幌地裁に提訴したと報告しました。

② 13年9月、工場で感電死した夫(電気技師)の事件について妻が報告しました。 当 時は時間外は「自己申告」でしたが毎月100時間を越え、実態はもっと多く、帰宅してもソファーで寝てしまう状況でした。当時は娘が2歳で下の息子が1歳でした。とてもかわいがってくれていました。
その日は娘が入園予定の幼稚園の運動会で未就学児枠で娘の初めての運動会の日でした。前夜は徹夜だった夫はふらふらした状態での勤務でした。「もう無理!」のメールを私に送った直後の事でした。 会社は事故で労災を申請し、労災は認められましたが、その要因は過重労働です。現在、札幌簡易裁判所で調停を重ねています。

③ 15年2月、28歳の息子さんが建設コンサルタント会社で設計業務を担当し、入職して10ヶ月で自死しました。1ヶ月前の時間外は208時間でした。会社を訴え和解は成立しましたが、死亡事故の場合は指名停止などの社会的制裁がありますが、長時間労働を課して従業員が死亡してもそうした制裁はありません。過労死防止のためには事故と同様の制度が必要ですと訴えました。

 

 過労死落語
「ケンちゃんの夢」
招福亭松枝 師匠

創作落語で4度目の上演でした。師匠は、大手製薬会社で働いていた父親を過労死で亡くした家族がその責任を明らかにしようと奔走する人情落語を熱演しました。参加者は時折笑いを交えながら、落語を通じて過労死遺族の思いを強く受け止めることが出来ました。

2017年北海道セミナー開く

記念講演

「労基法70年、労働時間法制からその変遷を考える」

増田幹司氏:旭川大学保健福祉学部コミュニテイ福祉学科・教授

増田教授は労働基準監督官として約30年間、各地の労基署及び本省に勤務しました。その経験から、労働基準法の変遷について概観され、労働時間法制は三つのエポックがあるとしました。
一つは女子保護規定に関するS60年の「改正」です。男子には手をつけず時間外や深夜業務の規制緩和を行いました。
二つ目は法定労働時間を週48時間から40時間に短縮したS62年の「改正」です。ここで、本格的な変形労働時間制が始まりました。  三つ目は変形労働時間制を労使協定で導入できるとした平成10年「改正」です。それまで「就業規則」に明記することなどが必要でしたが、労使協定で可能となり活用が広がりました。また、この「改正」で企画業務型裁量労働制が新たに採用されました。

増田教授は労働時間法制の変遷を淡々と講演しましたが、この間、長時間労働、深夜勤務を含む交替制勤務が拡大し、労働者のいのちと健康への深刻な影響が広がっている事、「男女雇用機会均等法」により女性労働者の男子並みへの組み込みが同様の過重労働を広げる結果となったことなどへの強い思いが伝わる講演でした。

分科会報告

 第1分科会「メンタル・パワハラの職場のとりくみ」

第1分科会では、「メンタル・パワハラの職場のとりくみ」をテーマに24名の参加が   ありました。
佐々木潤弁護士の小講演では、パワハラの実態やパワハラの発生する場面について説明があり、「職場からメンタル不全・パワハラをなくすための方策」について解りやすい講演がされました。参加者からは「どのような時にパワハラが起きるのか解った」と感想が寄せられました。
小講演の後、4本の報告がありました。

◆N病院での新卒看護師パワハラ自死事件について、被災者の母親から労災認定にむけて取り組まれている事例報告がありました。

◆札幌地区労連に寄せられたパワハラ事案と対応について札幌地区労連の吉根清三氏からいじめ・パワハラ相談が急増していて、労働組合は、相談者から労働条件等を詳細に確認、相談者個々に対応し、団体交渉などを活用して解決をはかろうと呼びかけられました。

◆過重労働によるうつ病になった被災者本人から、社会復帰をめざすまでの体験を、労災認定の難しさ、裁判中の苦労、弁護士さんとの共闘などを家族との葛藤を乗り越えてきたことも含めて報告されました。こうした経過を経て、今、苦しんでいる人にむけて「逃げることは正しい」と語られました。

◆大学生協北海道統一労組の棚田正彦氏から衛生委員会を実施する中で職場の実態踏まえ、現場の体制を整備する中で長時間労働が少しずつ改善されてきたこと。
衛生管理者資格取得について教育的視点から組織をあげて取り組まれていること。
職場巡回で危険な箇所や働く環境の改善内容が具体的に報告されました。

  第2分科会「長時間労働・夜勤・交替制勤務と健康」

第2分科会「長時間労働・夜勤・交替制勤務と健康」は14名が参加しました。長時間労働の過労死との因果関係、産業別の長時間労働の課題や対策について交流、意見交換、改善に向け話し合いました。
はじめに長年、過労死問題に取り組んでいる川島亮平医師が、「長時間、夜勤交替制勤務の健康への影響」と題して講演しました。夜勤や長時間労働により、本来の人間らしい生活リズムが崩れること、様々な健康への影響が表われることをデーターで示しました。また、働き方や社会的な要因から健康の歪も生まれる事など、オリジナルの図解を使ってメンタル不全から過労死に結び付くプロセスを解説しました。
講演を受け、参加者からは、継続的な治療が必要でも働き方により、受診できない実態や、過労死の実例から長時間労働による健康被害は思考能力の低下にも結び付くが、そのことを裁判で立証することが難しい事など過労死認定の問題点が出されました。
レポート発表は、医療・福祉・教員の過酷な労働実態が報告され、過労死撲滅、ディセントワークの確立の為には、労働組合を軸にそれらを改善していく、本来の働き方、人類にとって喜びになるよう、政治・社会を変えていく必要があると話し合われました。

  第3分科会「じん肺・アスベスト、職業性疾患の予防と補償」

第3分科会のテーマは「じん肺・アスベスト、職業性疾患の予防と補償」で17人が参加しました。はじめに小講演2つがあり、札幌ワーカーズクリニックの佐藤修二医師は「最近の職業性疾患の事例と特徴」について、全国と北海道の職業性疾患の認定や療養の状況を報告したあと、クリニックを受診した患者の症例(じん肺・石綿疾患・振動障害・上肢障害)を紹介し、石綿肺の患者の掘り起こし、じん肺の管理区分をめぐるとりくみや潜在的に多発している上肢障害の対策の必要性などを指摘しました。 北海道建設アスベスト訴訟弁護団の長野順一弁護士は、国と建材メーカーに賠償を命じた前日(10月27日)の東京高裁での横浜第1陣訴訟の判決など「アスベスト訴訟の到達点と課題」を明らかにし、北海道での第1陣・第2陣訴訟の勝利とともに、国と建材メーカーに救済制度をつくらせる政策形成の課題を強調しました。

 いのラボ 青年・学生の学習と交流

2017年のいの健セミナーでは、「いのラボ」と題して、青年や学生の労働問題を扱うイベントを行いました。参加者は16名で、20代から30代の年齢層が半分以上を占めました。
まず弁護士から「ブラック企業の見分け方」と題して小講演を行った後、参加者が4人づつくらいのグループに分かれてグループワークを行いました。

グループワークの最初のテーマは「私の職場、何が問題?」というもの。回答で圧倒的に多かったのは、長時間労働や休みが取れないことなどでした。これを受けて、次のグループワークでは、「職場の問題、誰になら相談できる?」というテーマ。ここでは、家族、友人、恋人といった回答が多く挙がったものの、ユニオンや弁護士といったワードが挙がるかどうかについては、かなり個人差が見受けられました。

このあと、首都圏青年ユニオンの団体交渉の様子を動画を交えて紹介し、さらにさっぽろ青年ユニオン所属の現役大学生が団体交渉を行ってバイト先の会社に未払い残業代を支払わせた体験を語ってもらい、意見交流しました。

若者を対象とすること、参加型のグループワークで進めることなど、初の試みも多くありましたが、おおむね成功に終わったのではないかと思います。今後、このような取り組みを更に広げられればと思います。
報告:島田 度(弁護士)

北海道過労死を考える会第4回総会

総会開催される

2016年1月30日(土)札幌市エルプラザで北海道過労死を考える会(家族の会)第4回総会が開催され、被災者家族、弁護士、支援者など24人が参加しました。

記念講演に田村修氏(勤医協中央病院精神科科長)による「過労死問題を通して見える日本社会の課題」として人間の健康・心の健康、ストレスとはメンタルヘルス対策の基本、ディーセントワーク、社会の課題に触れて講演しました。

総会では、活動報告・決算、活動計画・予算、役員の改選が行われました。

会員(被災者家族等)の発言では、食品会社支店長過労自死事件で10年余りのたたかいの末に行政訴訟で勝訴した報告や、薬品会社MRの夫を脳血管疾患で亡した事案。バス運転手の夫の労災事案等について報告がありました。

初めて参加した3家族・被災者が新たに入会しました。
総会後に、交流会が行われました。

北海道過労死を考える会第2回総会

「なくせ過労死」への決意
苦難乗り越え支え合って

2014年1月25日、札幌市内で北海道過労死を考える会第2回総会が開かれ、会員16名が出席し熱い議論が行われました。

一昨年12月に結成されて以降の活動経過報告では、「過労死防止基本法」制定の署名行動や院内集会への参加、地元議員要請行動などにとりくみ、今国会での成立が実現可能な状況をつくりました。過労死遺族の訴訟支援や相談・励まし活動などのとりくみが報告されました。

2014年度の活動計画では、「過労死防止基本法」の今国会での成立めざし、署名、地方議会の決議、国会議員要請を一段と強めること。被災者の労災認定や裁判支援のとりくみ。会員相互の親睦・交流などが提案、確認し合いました。

参加者の近況報告では、突然の夫や息子の過労死に直面したときの苦悩、そして乗り越えての労災申請や審査請求、訴訟のとりくみ、が涙をこらえて語られ、「なくせ過労死」への決意の場となりました。とくに18年にわたり、息子のクモ膜下出血死の労災補償を求め、民事での和解にこぎつけた石井さんの不屈のたたかいは、参加者に感動と勇気を与えました。その後の懇親会で親睦を深めました。

 

看護の未来のために

新卒看護師の過労死労災不支給処分の取消しをもとめて裁判でたたかっています。過重労働の実態、事件の背景を告発したリーフレットを作成し、裁判の支援を呼びかけています。「支援する会への入会」と「公正な判決によって過労死のない職場をつくるための請願署名」へのご協力をお願いします。